
新宿の高層ビルを見上げながら歩いていたら
土曜の夜、気分転換をしたくて中野坂上から西新宿方面へ歩きました。
まだ18時前なのに空はすっかり暗く、ビルの窓が一斉に灯り始めていました。
「新宿の高層ビルを見上げながら歩いていたら…」
そんな言葉が自然と浮かんでくるほど、
都会の夜はどこかドラマチックで、気持ちを引っ張ってくれる力があります。
一週間分の疲れを抱えていたけれど、
ビル風に吹かれながら歩いているうちに、心が少しずつニュートラルになっていきました。
目的地は“ジャズバー”。でも、まだ少し怖い
今夜は、前から気になっていた小さなジャズバーへ行くと決めていました。
中野坂上〜西新宿のエリアには、路地裏にひっそりと佇むバーがいくつかあります。
スマホの地図を見ながらお店の前へ到着すると、
暗めの照明に照らされた木の扉が、静かな存在感を放っていました。
中からは、かすかにベースの低い音が漏れていて、
店内にいる人の会話が音楽に溶け込んでいるように聞こえました。
「一人で入っても大丈夫かな…」
「常連さんばかりだったらどうしよう」
「席、空いてるのかな」
そんな小さな不安が、急に胸のあたりに集まってきました。
扉に手をかけられなかった理由
数秒だけ、扉の前で立ち止まりました。
深呼吸をして、入るタイミングを伺って、
でも結局、手は伸びませんでした。
決して嫌な気持ちではなく、
ただ、今日はまだ勇気が足りなかっただけです。
決意して来たはずなのに、
扉の前に立った瞬間、自分が小さく感じられた。
でも、それもひとり暮らしの“今の私らしさ”なのかもしれません。
無理に踏み出さなかったことで、
逆に「また今度、一歩だけ前に進めばいい」と思えました。
夜風に吹かれながら、少し遠回りして帰る
扉の前で踵を返してから、
新宿中央公園の方へ少し歩きました。
ビルとビルの隙間から夜空が覗いていて、
街の光が雲に反射して淡いオレンジ色に見えます。
ジャズバーには入れなかったけれど、
その帰り道の景色がなんだか心に残りました。
“挑戦できなかった”というより、
“自分のペースを守った夜”だったのだと思います。
都会では、周りがどんどん進んでいくように見えるけれど、
こうして立ち止まる夜があってもいい。
次は、一歩だけ前へ
帰り道、
「次は扉に手をかけるところまで行けたらいいな」
そんなふうに思いました。
ジャズバーは逃げないし、
街の灯りも、また週末になれば優しく迎えてくれる。
進めない日があってもいい。
けれど、前に進みたいと願う気持ちだけは捨てずにいたい。
そんなことを考えながら、中野坂上のいつもの道に帰ってきました。
都会でひとり暮らしをして気付いたこと
東京の夜は明るいけれど、
その明るさに照らされて、自分の弱さもよく見えます。
でも、弱さを隠さなくていいのも、ひとり暮らしの良さなのかもしれません。
ジャズバーに入れなかった夜は、
落ち込むのではなく、
自分を責めずにいられたという意味で、とても優しい時間でした。